私立大学職員のブログ

西日本の私立大学で働く職員のブログ

立命館大学の「-R」騒動に見る立命らしさ

Twitterに、「未来を奪う大学 立命館@minus_r」なる者が登場し、禁煙キャンペーンを初めとする立命館大学の施策に異議を唱えている。

【画像】立命館大学の禁煙キャンペーンにネットで批判殺到 - NAVER まとめ

http://matome.naver.jp/odai/2138442027875057301

どうも、立命館大学が学内全面禁煙を打ち出し、それを示したノボリに「空気の読める大人になろう」等というコピーを貼り付けたことが発端になっているようだ。

これに怒った複数の学生が、「+R」(プラスアール)をもじって、「-R」(マイナスアール)とし、上記のアカウントで異議を唱えているように見て取れる。

 

これが実に立命っぽい、と感じた。

「+R」を「-R」としてしまうセンスなど、傑作である。

立命っぽい、などと言ってしまうと怒られてしまうかもしれないが、部外者からはそう見える。

もちろん、非常勤講師の雇用の問題や、教職員の一方的な一時金カット、退任する理事長の退職金がいつの間にか2倍に、等、立命館大学にも以前から色々と問題があるのは確からしい。

裁判沙汰になっている事案もある。

しかし、立命館には、そうした負の情報がわりとオープンになる、という特徴がある。

例えば、昨年には『立命館の再生を願って』(鈴木元著)という、元職員による現体制を批判した告発本なんかも出ている。

 

立命館の再生を願って

立命館の再生を願って

 

 内容の是非はともかくとして、こうしたオープンマインドは、立命館の優れた点だと思う。

大学というところは閉鎖的なので、悪い情報はあまり表に出ない。

さらに、今回は、何より学生自身がコトを起こしている(ように見える)点が素晴らしい。

大学で働くひとりの職員として、「大学は、学生とともに作り上げるもの」という考えがぼくにはある。

ぼくが立命館の執行部なら、こんな風に学生の声が上がることに感謝する。

そして、大学をともに作り上げるキッカケとして利用する。

一方的に押さえつけることは得策ではない。

「これを機に、一緒に大学を作っていこう!」と呼びかけた方がよい。

その積み重ねで、大学の歴史が出来上がるのではないか。

学生は、なかなか大学に対して声を上げてくれるものではない。

「違うな」と思うことがあっても、面倒だししんどいから、わざわざ形にはしない。

そして、「違うな」が積もりに積もったら、静かに去っていく。

それを避けるために、各大学は学生の声を回収できる仕組みづくりに腐心している。

だから、こんな風に、去っていかずに、声を上げてくれることは、とてもありがたいことだ。

学生にとって、声を上げることに、大きなメリットはない。

むしろ、場合によっては、批判されたり圧力をかけられたりするかもしれないという意味では、デメリットの方が多いと言える。

それでもやる、というその志がすごい。

たぶんこの学生は、立命館大学のことがきっと好きだ。

立命館の、コトを起こした学生のみなさんには、その志に心から敬意を表し、エールを送りたい。